ライセンス代とチームの費用で何が得られたかが毎月わかります。誰がどの仕事に使っているか、何を試してやめたかも見えます。社内の人で運用できるようになれば、すぐに終了できます。
AIを全社に広げる組織 · 07 / 13
AI定着を支えるFDE(Forward Deployed Engineer)
私たちのシニアエンジニアがチームの隣で働き、AIが本当に役立つ日々の仕事を見つけます。自社のシステムとデータで最初のユースケースを作り、社内の人が運用を続けられるまで教えます。
AIを全社に広げる組織 「全員分のChatGPTとCopilotのライセンスを買って、研修も1日やった。それから3か月、使っている人はほとんどいない。試験導入はIT部門の外に出ないまま、コンサルタントのロードマップは引き出しにしまったまま」
よくある課題
多くの組織が同じ始め方をします。社員にChatGPT EnterpriseやMicrosoft 365 Copilotのライセンスを買い、ベンダーを呼んで1日研修をして、あとは各自に試してもらいます。社員はメールの下書きに2、3回使ったあと、元のやり方に戻ります。AIからはERPや社内の文書が見えず、顧客データを入れてよいのかをPDPAの観点で誰も示しておらず、各チームが毎日している仕事は研修の内容に入っていなかったからです。IT部門は試験導入を1つ作り、デモではうまく動きました。ところが事業部門に引き受ける人がおらず、ITチームも本来の仕事で手一杯なので、実際のシステムにつながることはありませんでした。
コンサルタントのロードマップは、ユースケースの順位付けとしてはよくできています。ただ、計画を実行するには、コードを書き、システムをつなぎ、チームが実際に使えるようになるまで隣に座る人が必要で、社内にはその時間がある人がいません。ライセンスの更新時期に財務部門から、払ったお金で何が得られたのかと聞かれても、数字で答えられる人はいません。
解決の方法
FDE(Forward Deployed Engineer)は、顧客の組織の中に入り、その仕事を毎日している人の隣で働くエンジニアです。この形はPalantirが企業向けソフトウェアの分野で広め、今ではOpenAIやAnthropicといったAI企業も、企業顧客と働くFDEのチームを持っています。私たちのFDEは、バンコクにあるお客様のオフィスに入るか、チームのチャットやツールの中で働くか、その両方を組み合わせます。まず各チームの仕事を追い、誰が何を繰り返しているのか、データがどこにあるのかを見て、ベースラインを一緒に決めます。たとえば見積書1通の作成にかかる時間や、カスタマーサービスが1日に答える同じ質問の数です。
そのうえで、今お使いのシステムの上に最初のユースケースを作ります。ERPの在庫データを使って在庫の質問に答えるLINE OAのエージェント、SharePointやGoogle Driveから契約書や社内規程を探すアシスタント、購買の稟議書を下書きするCopilotのエージェントなどです。同時に、AIを安全に動かす土台も整えます。役割に応じた権限、監査ログ、どのデータをどのツールに入れてよいかを決めたPDPAに沿ったルール、チームの実際の質問から作って変更のたびに実行する評価セット、チームごとのコストのダッシュボードです。支払い済みのライセンスには各チームの仕事に合わせたプロンプトとエージェントを用意し、各チームの推進役が自分で作って直せるように教えます。
仕事は1か月単位などのブロックで進めます。ブロックの終わりには、誰が何の仕事に使っているか、ベースラインと比べて結果はどうか、うまくいかずにやめたものは何かを、ありのまま報告します。ロードマップを作るコンサルティングと、範囲を固定した開発プロジェクトの中間にあたる形です。社内のチームが自分で運用できるようになった時点で終了でき、コード、運用手順書、評価セットはすべてお客様の手元に残ります。提案するのはFDEで、本番で使うかどうかはお客様側の責任者が決めます。お金、顧客データ、法的な判断に関わるものには、毎回必ず人の承認が入ります。
仕組みの流れ
- 各チームの日々の仕事
- 支払い済みのAIライセンス
- ERP、LINE OA、文書の保管場所
- 止まっているロードマップや要望
- チームと並びベースラインを決める
- 実際のシステムで最初のユースケースを作る
- 権限・ログ・PDPA・評価セットを整える
- 推進役を育てて引き渡す
- チームが毎日使うユースケース
- ベースラインと比べた利用状況と結果
- 各チームの推進役
- 自社のコード・運用手順書・評価セット
導入前と導入後
導入で得られるもの
- 01
チームと並んで働くFDE。バンコクのオフィスと、チームが使うチャットやツールの中で日々の仕事を追い、AIが本当に役立つ仕事を今かかっている時間とともに一覧にします
- 02
LINE OA、ERP、文書の保管場所、Microsoft 365など、自社のシステムとデータの上で動く最初のユースケース。チームと合意したベースライン(導入前の基準値)と比べて効果を測ります
- 03
AIを安全に動かす土台:役割に応じた権限、監査ログ、タイの個人情報保護法(PDPA)に沿ったデータの扱い、回答を採点する評価セット、ガードレール、コストのダッシュボード
- 04
ChatGPT Enterprise、Microsoft 365 Copilot、Google WorkspaceのGeminiなど契約済みのライセンスで動く、チーム別のプロンプトとAIエージェントと利用状況の報告
- 05
自分で作って直せるまで私たちが教えた各チームの推進役(チャンピオン)と、引き渡すコード、運用手順書、評価セット。私たちがいなくても続けられます
立場ごとのメリット
FDEはITが発行したアカウントで、お客様の権限ポリシーのもとで働きます。公式APIで接続し、読み取り専用から始め、既存のシステムは置き換えません。呼び出しはすべて監査ログに残り、コードはすべて自社のリポジトリに置きます。
実際の仕事でAIを試すときに隣に人がいて、つまずいたらその場で聞けます。顧客への返信の下書きや長い文書の要約など、繰り返しの仕事を片付けるプロンプトとエージェントも手に入ります。
向いている業種
お使いのシステムと連携
開発プロセス
- 1
ヒアリング
要件・ユーザー・成功指標を定義し、着手前に範囲と価格を確定。
- 2
設計
UXとアーキテクチャを設計。プロトタイプ承認後に開発へ。
- 3
開発
AIで加速したスプリント。毎週デモ、シニアがレビュー。
- 4
テスト
合意した範囲に対してQA・セキュリティ・性能を検証。
- 5
公開・保守
本番リリース、チームトレーニング、月次保守プラン。